無論、生き物を飼育する上でその個体を大切にし、
成長を喜ぶのは当然のことといえます。
が、その先もしその大切な個体の子の顔が見られるとしたら、
それは親が孫の顔を見るが如くうれしいことのはずです。
私も、いつかはトゲオアガマの繁殖をしたい・・・!と考えています。
もちろん、個体あっての繁殖ですからそもそも親個体をきちんと生育できることが前提となりますが。

ポヤーン
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ここで、しばしば登場する本になかなか興味深いことが書いてあったので
述べさせていただきたいと思います。 


それは、トゲオアガマの繁殖をする上で、オスメス分けて飼育しておいて
いざ一緒にする時に、どちらのケージに入れるか?という問題です。
答えは、メスのケージにオスを入れる、なのですが、
その理由が興味深かったです。
オスは、新しい環境では自分のテリトリーを守らなくてはいけないという感覚が弱まり、
メスに対して攻撃的な態度を取りにくくなるということなのです。

私は以前サソリの繁殖を試みたことがあったのですが、
その時にも「メスのケージにオスを入れよう」と本にあり、
その理由をなぜだろうと思っていました。
恐らく同じことなのでしょう。
ちなみに、サソリは種類によりますが基本的に同種同士でも容赦なく殺し合う可能性があるので、
繁殖の際にも非常に気を遣います。

基本的にはメスの方が体格は大きくハサミは小さめ、
オスの方が体格はスリムにハサミは大き目にできています。
これは、オスのハサミがメスのハサミを押さえながら交尾に至るときに
有利に働かせるためのようです。
オスとメスの交尾は以下のような流れで行われ、「サソリのダンス」と呼ばれます。



最初の方に体を震わせているのがオスです。
これは、メスのフェロモンを感じ取ったオスが
「敵ではありません、餌でもありません、交尾しましょう」
とシグナルを送っているのです。
時にメスがこれに応えて振動することもあります。
彼らは数十メートル先の振動を感知できるほどに振動覚が非常に発達しており、
足で振動を感じるとどこの方向から来たかなどを的確にサーチすることが出来ます。

メスが受け入れると、ダンスが始まります。
基本的にはオスが動きのリーダーシップを取ります。
ダンスそのものの動きは以下の動画がわかりやすいと思います。



動いている間、オスは腹部についている、ペクチンと呼ばれるハケのような器官を使って
地面を撫でまわしています。
これは、 精莢(せいきょう)と呼ばれる精子の袋をやり取りするのに適した場所かどうかを
触覚で見極めているのです。
適した場所に来ると、腹部の生殖孔から精莢を放出してメスの生殖孔がその上に来るように移動させ、
メスの体を揺らします。
すると、精莢から精子が生殖孔を経てメスの体内へと入っていき、
受精すれば無事完了です。
このダンスで25mほど移動したりすることもあります。

オスは交尾が終わると食われないうちにそそくさといなくなりますが、
間に合わず種によっては食われてしまうこともままあります。
カマキリもそうですが、自然界においてしばしば
交尾後のオスは自分の子孫のための栄養と化します。

メスは数週間から数か月の妊娠期間を経て、出産します。
卵の形式ではなく、新生児の形で産むのです。 

初めてサソリの交尾を目の当たりにしたときには
生死を懸けたその美しい繁殖行動にとても感動しました。 

以下、スマホでの撮影です。

交尾中
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残った精莢(真ん中の白い紐のようなものです)
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子どもたちに幸あれ 
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