トカゲの不思議な行動に「無意味な同じことを延々と続ける」というものがあります。
それは、例えば「ガラスへの突進」です。

モニター(オオトカゲ)を飼っている、あるいはお店でご覧になったことのある方は、
ガラスに向かって謎の突進をし続けるのをご覧になったことがあるかと思います。
そのために吻端(口の先端)が傷ついていたり、出血したりしているのも珍しくありません。
また、ガラスが滲出液で汚れてしまっているのもしばしば見ます。

トゲオアガマもしばしばガラスへの突進を繰り返しています。
そのために、しばしば突進の発生する箇所の床材はすべて撒き散らかされてなくなり、
ガラス面が露出してしまいます。

アオジタトカゲも時折しています。
キタアオジタトカゲは突進が見られ、アンボンアオジタトカゲ・キメラアオジタトカゲはあまり見られませんが、
これは活動性の差かもしれません。

このガラスへの突進が見られない種は、グリーンイグアナ、フトアゴヒゲトカゲ、ヤモリ類です。
グリーンイグアナは、温室のガラス戸を閉めると突進ではなく自分でこじ開けて出てきます。
フトアゴヒゲトカゲはガラスへの突進をしません。
ヤモリはむしろガラスを生活の場の一部としています。

突進は「そこから先が何らかの理由で進めないということが永久に理解できない」、
あるいは「ただ延々と突進し続けることが何らかのストレス対処になっている」、
そういった理由で発生しているのかもしれません。
元来もっと大きなテリトリーの中で暮らしている生き物をガラスのケージに入れていますから。

なぜ、突進をするかどうかの差が生じるのかはわかりません。
が、トゲオアガマたちが突進しながら壁を太鼓のように叩いて「ドンドコドンドン」という音が部屋に響いていると、
彼らは今日も元気だと安心します。

突進スタイル
(グールドモニター)
グールドモニター突進スタイル

並んで突進スタイル
(黄色がサバクトゲオアガマ、橙色がゲイリートゲオアガマ)
サバクトゲオアガマとゲイリートゲオアガマ、並んで突進スタイル

突進中!
(エジプトトゲオアガマ)
エジプトトゲオアガマ、突進中


トーマストゲオアガマは120cmケージの時は時々突進していましたが、
60cmケージに移してからあまり突進しなくなりました。
突進する現象とケージサイズには何か相関があるのでしょうか。
トーマストゲオアガマ、のんびり

あまり突進しない人
(アンボンアオジタトカゲ)
突進しない人、アンボンアオジタトカゲ

こちらも全然突進しない人
(フトアゴヒゲトカゲ)
全然突進しない人、フトアゴヒゲトカゲ

そもそも動いているのを見るのがレアな人
夜中ケージ内をウロウロしているのを見かけると、とても幸運な気分になります。
(ツギオミカドヤモリ)
動いているのを見るのがレアな人、ツギオミカドヤモリ

話は変わりますが、エジプトトゲオアガマの小さい方の個体は人を見ると餌かと思って寄ってきます。
大きい方の個体は人の影が見えるだけですごい勢いで逃げますが。
同じお店の同じケージ内に入れて飼われていたのに、
それまでの経験に大きな差があるんでしょう。
寄ってきたエジプトトゲオアガマ