「オビハスカイに咬まれたぐらいで記事になるのだろうか」、
と思っていらっしゃる方も多いと思います。

確かにオビハスカイは小さなヘビです。
が、咬む時の歯は鋭く、
(おそらくカエルを呑む時に膨らんだカエルに穴を開ける、ハブモドキのようなものではないでしょうか)
刺さるとかなり痛みを感じます。

が、危険なのはそれだけではありません。

彼らは一度喰い付くとチョボチョボ水をかけたぐらいでは全くひるまず、
さらに咬む力を強めてきます。

さすがに水道水でジャーーーとすると離してくれますが。

しかし、さらに本当に危険なのはそれではありません。

おそらく、少なくとも私の体内においては、
抗原性の高い唾液によって局所的に激しいアレルギー反応を生じます。
私の調べた限りでは「後牙類」あるいは「毒がある」という記述はありませんでしたので、
抗原性の問題だと思います。
(抗原性は、アレルギー反応の起こしやすさのようなものです。)

アナフィラキシーショックという言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。
それは「蜂に刺された1回目より2回目の方が危険」という話に通じます。

人間の体は免疫反応という形で外部から守られています。
体の中に入ってきた異物や微生物に対して、
それを「抗原」とみなし、抗原を倒すための「抗体」が作られます。

が、一度抗原に対し免疫的な反応が発生して抗体を作るようになると
(これを「感作(かんさ)」と呼びます)、
次に同じ抗原に出会った時には
爆発的な量の抗体、およびそれに関連する物質を作るようになることがあります。

全身が紅潮し、呼吸困難、血圧低下などの症状を呈し、
命に関わることもままあります。
本来体を守るための免疫システムが過剰に働いてしまう状態であり、
これがアナフィラキシーショックです。

アレルギーといったらくしゃみ、鼻水などを思い浮かべられると思いますが、
あれの激烈なものが指に起こったと想像なさってみてください。

咬まれて5分程度の時間が経った頃でしょうか。
指は真っ赤に腫れ上がり、腫れ上がった結果じんじんと痺れてきて、
関節を動かすこともままならなくなりました。
指がパツンパツンに腫脹し、関節が広がっているため、
茹でたてソーセージのようです。

それまでの経過を平たくご説明すると、脱皮不全の処置をしようとして2回咬まれました。
左手の親指と右手の薬指です。
このうち左手の親指は処置が遅れたため、より強く腫れ上がりました。 
 
オビハスカイのオス、脱皮不全です。
オビハスカイのオス、脱皮不全

よく見ると、ウエット部分として使っていた水苔がすでに乾いてしまっています。

左手親指です。
手元にあった水をかけたので滲んでいる部分も多いですが、
周囲にまたベチョベチョ血液が付いてしまいました。
オビハスカイに咬まれた左手親指

右手薬指です。
咬傷部分は腫れ上がり血流も乏しくなって、
白く浮き上がって見えます。
オビハスカイに咬まれた右手薬指

オビハスカイ、処置後です。
処置後のオビハスカイです

せめて、フードを見せてください
オビハスカイのフードを広げた状態です

 昨日の飼育スタイルに追加として、もっとはっきりとした
ウエットボックスが必要なのかもしれません。

あとは、今回は1回目の抗原曝露で、
次に咬まれた時に本当にアナフィラキシーショックを起こすかもしれません。

今後咬まれないように十分に注意することと、
万が一の時の「エピペン」の常備を考慮します。

(「エピペン」:アドレナリンを含んでおり、
ハチ毒などでアナフィラキシーショックを起こす可能性が高い患者さんに対して
処方される薬です。
医療機関へ搬送するまでの繋ぎとなります。)